言葉を話せぬ少女と 鬼と呼ばれる男
二人が出会ったのは 運命か?
それとも 必然か?
澄みきった言葉
俺がとあったのは、数ヶ月前のこと
攘夷志士が過激な活動をしていると報告された場所に仕事で行ったとき、に出会った
無惨にも、攘夷志士の暴れようによって罪のない人間が何人も斬り殺されていた
いや、アイツらは攘夷志士ではない。そう名を借りただけのただの犯罪者の集団だった
そして、もその犯罪者に殺されかけそうになっていた
それを見た俺はすぐにを庇い、襲いかかった奴を倒したが
彼女の目にはもはや何も映っていないような虚ろな目をしてただ、目の前の光景を眺めていただけだった
「オイ、お前名は?」
「・・・・」
そう呼びかけても何に返事もしない少女に俺は顔をしかめた
「お前、言葉を話せないのか?」
「・・・・」
少女は一回コクンと頷いた。それに俺は同情するような目しか向けられずにいた
「総悟」
「何ですかィ?土方さん」
「この娘を保護してやれ」
そういった俺に一瞬総悟は不審な目を向けてきたが、すぐにアイツの手を引いて車へと戻った
俺は暫くの間その場でただずんで居たがすぐに車へと引き返した
は喋るどころか字もろくに書けずにいた
姿形はもう十代後半と言っていいのに、基本的な学習さえも受けていないようだった
そんな彼女に出来ることは家事全般ぐらいで、真選組に引き取ってからはよく好んでその仕事をやっていた
自分を表現する術は幸いにも知っていたし、接することに対しては何の問題もなかった
元から明るい性格であったようで、それ故には屯所内で人気もあったし、も笑って暮らせるようになった
あの日の虚ろな瞳など嘘のように消えていた
「土方さん」
「何だ?」
縁側に腰掛けて風を受けている総悟を横目に、俺は刀の手入れをしていた
「俺ァどうにも引っかかることがあるんですがね・・。何で土方さんはあんな娘ッ子引き取ったりしたんですかィ?」
「・・・特に理由はねーよ」
「理由もないのに引き取ったんですかィ。そりゃ副長様も随分と人が良くなられたもんですねィ?」
「茶化してんのか?総悟」
外にあった総悟の視線はいつの間にか俺に向けられていた。俺は手を休め、総悟の方を見る
「茶化す?そんなのいつものことでさァ。でも、今回限りは・・真剣に聞いてますぜ?」
「どうしてそこまで真剣に聞く必要がある?」
目を細めて総悟を見る。総悟もいつものちゃらけた様な表情ではなくなっていた
「いやね・・俺を此処に招いたように、あのお嬢さんもただの哀れみだけで拾ったんじゃないかと思いやして」
「!?」
「図星ですかィ?」
俺の驚いた顔を見逃さなかったのか、すぐに総悟はそう聞いてきた。そして続けて
「土方さん。何でも拾おうとするのはやめなせェ。俺達ァそこら辺の野良犬じゃないんです。哀れみだけで拾うのは動物だけにしといてくだせェ・・俺達ァ・・心ってもんがあるんでさァ・・」
「・・・・・」
そう言う総悟の表情が今まで見せたことのない切なそうな顔で、俺はただ総悟の言葉を聞くしかなかった
哀れみ・・俺はその感情でを引き取ったのだろうか?
自問自答してみるが、それ以外の答えは見あたらなかった
だとしたら、総悟が言うように拾われたものにとっては迷惑なのであろうか?
「総悟」
「何ですかィ?」
「お前は・・迷惑だったのか?ここに来るのが嫌だったか?」
「何言ってるんです」
一つため息をついて微笑み
「俺ァ良かったと思ってますぜ。近藤さんや俺自身を認めてくれる仲間が沢山いる場所へ来れて・・」
そう言った。俺は煙草をくわえ、火を付けた
そして、息を吐くと紫煙は部屋に広がった
「そうか・・」
「まぁ、がどう思ってるかなんて・・自身しか知らない話ですがね」
総悟はスッと立ち上がり、少し伸びをして俺に背を向け歩き出した
ひらひらと俺に向けて手を振りながら
「ちょっくら散歩にでも行ってきまさァ」
と呑気に言って出て行った。その言葉に俺は部屋から身を乗り出して
「オイ!テメー仕事サボるんじゃねぇ!!」
とまるで今の自分の気持ちを隠すかのように、いつもみたいに総悟に怒声をかけた
すると、総悟は走り出し
「そりゃ土方さんに全部任せまさァ」
と、遠くから叫んで消えていった
俺は、ハァ・・と一つため息をつくと縁側に座り煙草を吸った
風が吹き、心地よい・・そんな雲一つ無い青空の続く昼時の話し・・
<あとがき>
今回は初土方さん夢ですw
そして・・どうしてか史実と少々リンクさせてしまいました・・;
沖田さんが拾われたって話ですけどね・・;
何でこうもリンクさせたがるんだか・・(笑)
今回はシリアスです。最初から最後まで
え?お前シリアス以外書いたことないだろ?
・・そうですねorz(ぉ
いつかはぶっとんだギャグとかも書きたいです
それなのにいっつも私は気がつけばシリアスですよ・・フフ・・(涙
もっと精進して皆様に楽しんでもらえるような夢がかけるように頑張りますw
では、また次回・・