梅雨彦 -Tsuyuhiko -
| 性別/同性愛 | 年齢 | 所属(位) | |
| 男/可 | 不詳 | 鬼(紅) | |
| イメージカラー | |||
| 梅雨の晴れ間( #87ceeb ) | |||
此れは鬼の階級としては中の下だ。しかし、同胞と人が交わり狩るだ狩られるだの物騒な世の中を飄々と渡り歩く中で、其れなりの年月を生き抜く術は自然と備えられていった。“長い物には巻かれろ”口癖のように本日も笑って教授する。力を使えば亜麻色の刻印が心の臓直上の肌に浮かび上がるが、此処暫くはご無沙汰だった。此の鬼は同胞よりも人の世を、そして人間そのものを好いている。毎年、梅雨の季節にふらりと現れては気まぐれに人と出会い、関わり、そして梅雨の終わりと共に去っていく。特定の誰かと縁を結ぶことはなく、別れを惜しむこともなく。ただただ時代の流れに身を任せ、その時々の趣向を肴に余生を謳歌する。己の盛り時は当の昔に過ぎている。そう語る此の鬼は、梅雨以外の季節は一人空き家で誰とも関わらずに月見酒だけを生き甲斐に暮らしていた。梅雨とは此の鬼にとっては休暇、謂わば息抜きのようなものであったのだ。現時点では特定の契約者を持たず保護対象ではない此の鬼は、特別な強さを兼ね備えている訳でもなければ運もそこそこ。若き頃であれば喧嘩も良しと妥協したが、今となれば諦めが肝心と身を隠すこともしばしば――であったのだが、今年は例年通りとはせずに梅雨が明けた今頃も人の世をふらりふわりと彷徨っている。余生も余生。元来兼ね備えていた人好きの血がもう我慢ならぬと騒ぐのだから仕方がないと。そうして快晴の空の下、つまらなそうな顔をしている人間を見かけては声を掛けるのだ。「暇潰しに付き合っちゃくれねえかい?」と。